1つのスポーツを続ける?アメリカの事例から学ぶジュニアスポーツ

日本のスポーツ環境は特殊?

コロナ禍における自粛期間、高校野球のある選手の球速が上がったという記事がありました。

・生徒たちの体が大きくなっている。
・投手の球速が伸びている
・飛距離が伸びた

自粛で練習が減ったら球速アップ?この夏、高校野球で起きている事。|Number Web – ナンバー

関西の高校野球関係者、北信越の野球関係者の方が口々に「選手の能力が上がっている」と話しているとのことです。

以前より高校野球投手の登板過多について言及していたダルビッシュさんもリツイートをしていました。関心が高い内容だったと思われます。

コロナ禍が産んだ副産物…このような日本のスポーツ環境は特殊なのでしょうか?

アメリカと比べてみる日本のスポーツ

では、日本のスポーツ環境とアメリカのジュニアスポーツ環境(子どものスポーツ環境)の違いから少し学んでみましょう。


【日本】

・日本のジュニアスポーツは休みなく行っている(部活など)

・子どもたちに十分な休息が与えられていない

・オフシーズンがある競技もあるが、実態はトレーニング漬けの日々

【アメリカ】

・シーズン制の為、四季ごとに違うスポーツを実施する環境がある

・シーズンごとに選べる競技も豊富にあり、子どもの可能性を広げられる

・監督やコーチが指導できない期間が設けられている


こうやってみると、日本とアメリカで大きく違うことがわかってきます。たくさんの競技を並行して行うアメリカと、休息が少ないという特徴の日本。高校野球のニュースともリンクしそうな気がします。

筆者の個人的な意見としても、しっかりとしたオフ期間を設け、少しでも他の競技に触れる機会を作るべきだと考えます。

そうでなければ「オーバーユース」「燃え尽き症候群」「ドロップアウト」を引き起こす可能性があるからです。これはスポーツの生涯継続率を低下させてしまう要因にもなります。

まとめ:日本のスポーツ環境における提案

上記の通り、日本の環境は良いようには思えません。

筆者自身もアイスホッケーという一つの競技だけ行い、運よくケガをせずに大学までスポーツ漬けの毎日を送ってきましたが、実際に前述した症状で競技を辞めた友人もいました。

日本のスポーツを取り巻く環境はまだまだ古い部分が多く、実際に現在子供が所属している団体での変革は難儀に思えます。ただ少しでも知見を広げて頂き、指導者や学校にアプローチをすることや選択肢を変えていくことは可能だと思います。

そこで、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の記事に記載されている中で、日本のジュニアスポーツ環境でも適応できそうな取組みを取り上げて上みましたので、参考にして現在の状況と比較してみてください。

・週に1~2日は必ずオフの日を設ける

・年間で2~3カ月はそのスポーツを行わない休養期間を設ける

・オフシーズンは他のスポーツに参加することができる環境である

さて、お子さんが所属しているスポーツ団体や指導しているスポーツチームと比べてどうでしょう?

これらの項目は、子どもの健康を守る上でとても重要な項目だと考えられます。練習をすること、一つの競技を行い続けることだけが正義ではないという認識で今後の競技生活にお役立ていただければ幸いです。

【参考文献】 葛原 憲治 CSCS, 愛知東邦大学教授、柴田 真志 NSCA-CPT*D,兵庫県立大学教授、「1年中休みなく同じスポーツをしてはいけない」、NSCA JAPAN Volume 20, Number 1, pages 10-12

(文:谷澤大芳)

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