子どもがスポーツをするということ。
共働きが当たり前の昨今、親のサポートが難しいという理由から敬遠されることも多いと思います。
今回は、子どものスポーツを支えることのメリットやデメリット、また子どもにとって具体的に何が良いのかを紐解いてみたいと思います。
目次
子どものスポーツを支えることにやりがいはあるのか?
多くの母親が、スポーツ活動への関与に「やりがい」を感じている
笹川スポーツ財団|小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究(速報値)
子どものスポーツ活動に関わっている母親に対し、「やりがい」と「負担感」の程度を尋ねたところ、ほとんどの項目で、「負担」より「やりがい」を感じているという回答が上回った。
なんと。やりがいを感じる方が多いとのこと。
今回参考にしている笹川スポーツ財団の調査では、2017年2月に小学1~6年生の第1子を持つ母親(各学年男女400名ずつ)を対象としたインターネット調査(有効回答数2,368名)、加えて母親へのグループインタビュー調査も行ったとのことです。
では、どういったところでやりがいを感じるのでしょうか?
- 自主練習につきあう
- 大会や試合に付き添う
- ルールを勉強する
こういった点でお母さんはお子さんのスポーツを支えることにやりがいと感じているとのこと。
子どものスポーツを支える…その負担は?
では、どんな点が負担としてあげられるのでしょう?
- 係や当番をこなす
- お子さんの送迎
- 活動費用
- 活動場所の手配や予約
これらがお母さんにとっては負担となっている様です。
確かに以前より旧態依然の問題として、野球などでは度々ニュースとして取り上げられていました。
でも子どものスポーツを支えるメリットもたくさんある
子どもを取り巻くスポーツ環境においては、確かに改善しなくてはいけない問題がたくさんあると思います。
しかし、子どもがスポーツをすることのメリットを大人はより理解することも一つなのではないでしょうか?
日本女子体育大学佐々木教授らの研究では、小学生・中学生のスポーツ活動による心理的なメリットについて研究しています。
研究では、
- 他者との関係性を良好にするスキル
- 苦しいことにも我慢強く取り組むためのスキル
- 問題や課題を計画的に遂行するためのスキル
などの心理社会的スキルを小中学生がスポーツ活動を通じて身に着けることができると考察しています。
こういった「スポーツから学ぶことがある」の具体的な証明は日々研究を通して行われています。
また、先の笹川スポーツ財団の調査でも「子どもが成長したと感じることができた」や「保護者同士で仲良くなれた」「スポーツに興味・関心を持つようになった」など母親自身が自覚する前向きな変化も捉えています。
まとめ
さて、今回は子どもがスポーツを支えていると感じるやりがいや負担について考えてみました。
あなたのお子さんのチームはどうでしょう?あなたが教えるクラブはどうでしょう?
お子さんのスポーツを支えるお母さんは、やりがいや負担に感じているのは自分だけではないと思えたら幸いです。また、スポーツチーム・クラブを教える方にとっては、こういったお父さん・お母さんのやりがいや負担を今一度理解してみるのも良いかもしれません。その上で、どちらか一方が背負う問題とせず、協力して環境の改善が出来ると良いですね。
【参考文献】
小学生および中学生のスポーツ活動による心理社会的効果とその日常生活への般化の実態 |佐々木 万 丈, 西 田 保, 北 村 勝 朗, 磯 貝 浩 久, 渋 倉 崇 行
(文:青井一真)